自分で不倫調査を行う場合、どこまでが合法でどこから違法なのか?
「もしかしたら、不倫されているのかも……」
パートナーの不倫に関する疑惑や不安をそのままにしておくのは、誰にとっても非常に辛いものです。そのため、自分で不倫調査をして真偽を確かめたくなることもあるでしょう。
しかし、自身で不倫調査する場合、調査方法が合法かどうかは、必ず考慮せねばなりません。今回は、あなたが自身で不倫調査を行う際、どういった調査方法が合法で、どこからが違法になりやすいのかについて解説します。
なぜ、調査手段は合法であることが重要なのか?
なぜ、あなたが行う調査が合法である必要があるのか? それは、違法に入手した証拠が、裁判では認められないからです。
違法な手段によって入手した証拠は、裁判では無効となります。それだけでなく、相手に違法性を指摘された場合、被害者であるあなたの立場まで、危うくなってしまう危険性もあります。
証拠を見つけるだけでなく、証拠の有効性きちんと見据える。そのためには、調査手段に関しても、法律の範囲内で行うことが必須となります。
注意すべき3つの違法行為
では、自身で不倫調査をする場合、どのような調査が違法になるのでしょうか?
代表的なものを、一つづつご紹介します。
不正なアクセスによって証拠を入手する行為
不倫をしている場合、SNSやメール、メッセージアプリ上で不倫相手とやりとりしているケースは多くあります。また、スマートフォンやパソコンといった端末は、個人情報の塊ですから、証拠が掴める可能性は、非常に高いように思えます。
しかし、夫婦間であっても、不正なアクセスによって証拠を入手することは、認められていません。
- SNSやメールの中身を無断で操作する
- PCやスマートフォン、タブレット等のロックを解除して情報を入手する
- メッセージアプリの内容を無断で取得・転送する
- 監視や情報収集と目的として、スマートフォンの場所を特定できるアプリをインストールする
- 不正な動作を行うアプリを無断でインストールする
など、上記の行為は、不正アクセス禁止法に抵触する可能性があります。また、一般に「浮気調査アプリ」と呼ばれるアプリを無断でインストールする行為は、不正指令電磁的記録供用罪となる可能性もあります。
不正な位置情報の取得・録画・録音・撮影をする行為
パートナーの動向を調べたり、不倫相手との会話を録音する目的で、GPSやボイスレコーダー、カメラを仕掛けたりする行為は、プライバシーの侵害となる可能性があります。
- パートナーの衣服や鞄に、GPSやボイスレコーダーを仕掛ける
- 別居中、パートナーの住居にカメラやボイスレコーダーを仕掛ける
- 別居中、パートナーの住居に無断で侵入する
- 不倫相手の車や住居に侵入する
上記のように、不正に位置情報を取得しようとしたり、録音・録画を行うことは、プライバシーの侵害と判断される場合があります。また、録音、録画等に使用する機器を設置するために別居中のパートナーの住居に侵入すれば、住居侵入罪に問われる可能性もあります。
尾行や張り込み行為
もしあなたとパートナーがまだ婚姻関係にない場合、尾行や張り込みといった行為も、ストーカー規制法や、都道府県が定める迷惑防止条例(つきまとい等の禁止)に抵触する可能性があります。
- 婚姻関係にない、恋人関係のパートナーを尾行する
- 悪意に基づいた待ち伏せ、張り込みを行う
浮気現場を直接押さえたいという欲求に駆られるかもしれませんが、まだ婚姻関係にない相手に対しての尾行や張り込みは、違法行為とみなされやすい傾向にあります。
ただし、既婚者が離婚訴訟や慰謝料請求のための証拠収集のためにこうした行為を行った場合、違法となる可能性は低くなります。
この点、相手との関係性によって違法かどうかの線引きが変わってくるため、注意が必要です。
違法行為に当たらない調査方法
できないことは多くありますが、以下のように、法律に触れない範囲でできる調査もあります。
- 財布の中身、レシート等を調べる
- クレジットカードの利用明細をチェックする
- ロックの施されていないスマートフォン、PC等の端末をチェックする
- 夫婦で所有している車の走行履歴をチェックする
- 夫婦の財産である家、車などに、GPSや盗聴器等を設置する
- 婚姻関係にある場合の、尾行や張り込み
相手の所有物を調べるのは、グレーではありますが、違法性を問われる危険は低いといえます。加えて、夫婦で所有しているとみなされる家や車へ機器を設置することに関しても、対象が共有物であるため、違法とされる可能性は低くなります。
社会通念上NGとされる行為は勿論、プライバシーを侵害する行為も違法となる可能性があります。
その線引きは中々わかりづらく、自身で行う不倫調査が法律の範囲内なのか、そのラインをしっかり見極める必要があります。
有力な証拠を得るためとはいえ、その収集手段が法律に触れてしまえば、それは無効となってしまうからです。自身で不倫調査を行う場合、こうした点に特に注意しましょう。
法的に認められる証拠を集めるために、細心の注意を
自分で不倫調査を行う際には、合法な方法を選び、他人のプライバシーを侵害しないよう、細心の注意を払いましょう。もし法的なアドバイスが必要な場合は、弁護士に相談することをおすすめします。不倫に関わる感情的な問題に直面した場合には、心理カウンセリングやサポートの活用も視野に入ります。
また、自身で不倫調査を行うのではなく、探偵事務所に調査を依頼することも一つの選択肢です。探偵は不倫調査に必要な専門知識と法的手続きを備えており、法律に適した方法で調査を行います。
探偵に依頼することで、法的な問題を避けつつ、信頼性の高い調査結果を得ることができます。加えて、探偵事務所への調査依頼は、自身の安全や、調査に際しての精神的苦痛を回避するのにも有効です。
自身の心と安全を保つために、冷静な判断と適切な行動を心がけるようにしてください。弁護士や心理カウンセラーへの相談、探偵事務所への調査依頼も視野に入れることで、適切に不倫問題を解決していきましょう。