業界内イメージの下落だけじゃない!ドミノ倒産の恐れも!?
~事前の信用調査でリスクを軽減する~
事業を拡大するためには販路を拡大すること、取引先を増やす必要があります。
しかし、取引先が増えても、未回収の売掛金が増えてしまっては意味がありません。そんな状態では事業拡大どころか、ドミノ倒産に巻き込まれる危険すらあります。
こうした貸し倒れを回避するためには、取引先企業に対して事前に「信用調査(与信調査)」を行うことが大切です。
今回は、売掛金の未回収を防ぐための、信用調査について詳しくご紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
信用調査(与信調査)とは?
信用調査(与信調査)とは、取引を行う企業に対して、支払い能力などの金銭的な信用度合いに関する調査です。与信取引の指標に使われることから、与信調査とも呼ばれます。
例えば、新規で取引を行いたいA社があるとします。A社について、支払い能力はあるのか、債務超過に陥っていないか、業績は順調かといった内容を調査します。その調査によって、健全な経営が行われているかどうか判断するわけです。
また、調査会社に依頼した場合は、そういった内容から算出された信用度スコア・評価も知ることができます。
A社と取引したとして、売掛金が未回収となってしまうリスクがどの程度あるのか?
それを知ることができるのが、信用調査です。
信用調査を行わなかった場合の最悪のシナリオ
信用調査を行わなかった場合の最悪のシナリオとして、業界内のイメージダウンと、ドミノ倒産が挙げられます。
多くの企業は通常、取引先から入金された資金を、仕入れ先への支払いや経費に充てています。売掛金が回収できなかった場合、それらを別のところから捻出する必要が出てきます。
こうして生まれた資金繰りの歪みは、仕入れ先への支払いにも影響し、滞れば、業界内でのイメージダウンは避けられないでしょう。
自社の信用情報が低下し、業界内で「あそこは危ない」となってしまえば、これまで取引のあった企業からも、手を引かれかねません。
こうして、悪循環に陥っていきます。これだけでも企業にとって十分過ぎる痛手ですし、最悪の場合、そのままドミノ倒産も起こりえます。
このように、売掛金が回収できないことは、業界内イメージの低下や、ドミノ倒産に巻き込まれる最悪のシナリオに繋がっています。
どんな時に信用調査を行うべき?
取引先に対し信用調査を検討すべきタイミングは、以下のようなものがあります。
- 新規の取引先に、十分な支払い能力(債務履行能力)があるか知りたい
- 継続取引があった企業だが、「最近、経営が苦しいらしい」という情報を聞いた
- 取引額限度額を引き上げたいが、どの程度までを目安にすればいいかわからない
- 自社の自己資本が少なく、売掛金が未回収となってしまった場合のリスクが大きい
信用調査をするのは、新規の取引先に限りません。これまで継続取引のあった企業に対しても、取引額拡大の指標とできますし、反対に、経営悪化を耳にした場合も、取引継続が可能か知ることができます。
このようなリスクを回避したい場合に、信用調査を行います。
信用調査の方法
信用調査には、大きく分けて四種類の方法があります。社内調査、直接調査、外部調査、依頼調査です。
自社で行うパターンと外部に依頼するパターンがあるので、両方を見ていきましょう。
社内調査
自社内の資料や、取引を行った社員から聞き取りを行うなど、社内で調査を行います。時間や費用をかけずに調査できるというメリットがあります。
しかし、収集できる情報に限界がある上、客観性に欠けるため、信用度合いの調査として、正確とは言い難いというデメリットがあります。
直接調査
取引先に直接、電話、メールなどで連絡を取り、調査を行う方法です。また、直接訪問する場合もあります。
社内調査よりも正確な情報を得ることができますが、「調査されている」ことそのものを快く思わない企業もあります。慎重な対応が求められる分、デリケートな調査方法だというのがデメリットです。
外部調査
外部調査には、さらに3つの種類があります。
・官公庁調査
商業登記簿、不動産登記簿から、経営に関する情報を調べる方法です。法務局や、インターネット登記情報提供サービスからでも見ることができます。閲覧できる情報から、信用度合いを推察します。
この方法の難点として、記載情報からの推察が必要であることには注意してください。各種データを閲覧できますが、信用度合いが直接記載されているわけではありません。あくまで、データから推察できることが前提となる手段です。
・検索調査
WEBサイト上の情報や、企業情報データベースなどから調査します。一般的に想像される、「ネットで調べる」に該当する調査方法です。決算報告書やIR情報、就職サイトへの掲載情報など、ネット上で入手できる情報は多くあります。
相応の時間がかかること、調査者の主観が入り、客観性に欠けること、データからの分析・推察の必要があることがデメリットです。
・側面調査(裏付け調査)
「直接調査」と併せて実施されるのが、側面調査です。社内での調査で得られた情報の裏付けを行うため、裏付け調査とも呼ばれます。
取引銀行、仕入先、販売先、ビルのオーナーなど。第三者からの情報で、直接調査で得た内容の信憑性を確認します。
依頼調査
信用調査を専門で行う企業などに、調査を依頼するのがこの方法です。メリットとして、客観性・質・量を担保された、高品質な情報を入手することができる点があります。
また、信用度合いのスコア・評価も知ることができるため、調査内容をすぐに活用しやすいのもポイントです。
デメリットとして、相応の費用が発生するため、コスト面を考慮して実施する必要がある点です。
信用調査には、調査会社の活用がおすすめ
様々な調査方法がありますが、信用調査は調査会社を活用することをおすすめします。
売掛金の未回収におけるキャッシュフローへの悪影響、それによる支払いの滞り、業界内でのイメージダウンなど、ドミノ倒産などの危険を予防しておくことは、非常に大切です。
最悪のシナリオを避けるためには、事前に質・量共に充実した調査を行い、スコア・評価に基づいた判断を下すことが重要になります。不十分な情報から判断してしまっては、リスク管理の意味がありません。
新規取引先の支払い能力を知りたい、既存の取引先の信用状況を確認したい、自己資本が少ないので売掛金が未回収となった場合のリスクが大きいといった場合、専門の調査会社を活用してください。
少ない情報から誤った判断を下し、売掛金が回収出来なくなってからでは遅いです。
企業信用調査は、実績があり信頼できる調査会社へ依頼しましょう。